和光堂

ようこそゲストさん

一人ひとりのカタチがわかる 授乳のはなし一人ひとりのカタチがわかる 授乳のはなし

母乳のはなしアイコン母乳のはなし

母乳ってそもそもどうして出るのでしょう?
母乳育児の基本知識を知っておきましょう。

母乳のメリット

母乳育児にはさまざまなメリットがあり、世界保健機構(WHO)が母乳育児を推奨しています。
母乳には以下のような特長があります。

母乳には赤ちゃんが成長するために必要な成分(fēn)がすべて含まれている

赤ちゃんは産まれてから離乳食が始まるまでのおよそ5・6か月間は、母乳(または育児用(yòng)粉ミルク)だけで育ちます。その期間の発育はめざましく、體(tǐ)重は2倍以上に、身長もぐんぐん伸びていきます。一生のうちで最も速い比率で體(tǐ)が発育していく期間ですね。それくらい母乳には赤ちゃんの成長に必要な栄養素などがすべて含まれています。三大栄養素と言われるたんぱく質、脂質、炭水化物(wù)のほか、微量栄養素のビタミン、ミネラル、そしてホルモン、酵素などの生體(tǐ)物(wù)質がバランス良く含まれているのです。

母乳には病原菌から赤ちゃんを守る抗體(tǐ)も含まれている

産後1週間以内に出る初乳には、特定の病原菌の感染やアレルギーから赤ちゃんを守る免疫物(wù)質も含まれています。初乳はその後の母乳よりも色が黄色く粘りけもあります。これは脂質や糖質が通常の母乳よりも少なく、特殊なたんぱく質が含まれているためで、赤ちゃんの腸を守り、胎便の排泄を促すはたらきをしています。

母乳にはまだ解明されていない
赤ちゃんのための成分(fēn)も含まれている可(kě)能(néng)性がある

実は母乳の全成分(fēn)が解明されているわけではありません。母乳に限らず自然界のもので100%解明されているものはなく、科(kē)學(xué)の進歩で少しずついろいろなことがわかってきています。今後も赤ちゃんのためになるはたらきを持つ母乳の、知られざる成分(fēn)が発見されていくことでしょう。

産後の體(tǐ)の回復を早める

母乳の噴出を促すためのオキシトシンというホルモンには、子宮を収縮させるはたらきもあります。そのため、妊娠によって拡がった子宮を早く回復させる助けをして、産褥期のママの體(tǐ)によい効果があります。

こうしたことから、産院でも母乳が出るように積極的に指導しているところも少なくありません。
けれど母乳の出方は人それぞれ。
出産後に母乳が出にくかったり、母乳授乳ができない事情があっても、
粉ミルクでも赤ちゃんはちゃんと育ちますし、ママの母體(tǐ)も回復します。
だからあまり神経質にならずに、
「母乳で足りなかったら粉ミルクで足せばいいんだ」と、頭の片隅に置いておきましょう。
プレママの方は、今のうちから母乳を出やすくする準備をしておくといいですね。

妊娠中からの準備

動物(wù)ごとに異なるおっぱいの成分(fēn)

人間だけでなく、ほ乳類の動物(wù)はみんな自分(fēn)のママのおっぱいを飲みます。
幼児になると人間も牛乳を日常的に飲みますが、
1歳未満の人間の赤ちゃんには牛乳はまだ飲ませてはいけないことになっています。
動物(wù)の赤ちゃんはいずれも消化器官などが未熟な状態で生まれますが、
動物(wù)によって體(tǐ)格も生理(lǐ)機能(néng)、成長の速さも異なります。
そのため下記の表のように母乳に含まれる成分(fēn)のバランスが異なっていて、
それぞれの赤ちゃんに最適にできているのです。
人間の赤ちゃんはまだ牛乳の成分(fēn)をきちんと消化できないため、
1歳まではそのまま飲ませない方がいいのです。
體(tǐ)重が2倍になるまでの日数を見ると、人間の赤ちゃんがいかに未熟で生まれてきて、
成長がゆっくりなのかがわかりますね。
動物(wù)の種類による違いだけでなく、母乳の成分(fēn)には個人差があることもわかっています。
ママの食生活が母乳の成分(fēn)に影響することもありますが、たとえば早産で生まれた赤ちゃんのママの母乳は、
通常よりも脂肪濃度が高くたんぱく質やナトリウムの量が多(duō)めで、
小(xiǎo)さな赤ちゃんの成長を助けるようにできているそうです。
生命のメカニズムは本当に不思議でよくできているのですね。

動物(wù)ごとのおっぱいの成分(fēn)

動物(wù)種 體(tǐ)重が2倍に
なるまでの日数
全固形分(fēn)
(%)
たんぱく質
(%)
脂質
(%)
糖質
(%)
ミネラル
(%)
エネルギー
(kcal)

ヒト

100 12.0 1.1 3.5 7.2 0.2 65

ウマ

60 11.2 2.5 1.9 6.2 0.5 52

ウシ

47 12.7 3.2 3.3 4.5 0.7 61

ヤギ

22 13.2 2.9 4.5 4.1 0.8 69

ヒツジ

15 19.3 5.5 7.4 4.8 1.0 108

ブタ

14 18.6 7.0 6.8 5.5 0.8 111

ネコ

10 17.6 7.0 4.8 4.8 1.0 90

イヌ

9 23.5 7.9 12.9 3.1 1.2 160

ウサギ

7 32.8 13.9 18.3 2.1 1.8 229
zoom

出展:足立達,伊藤敞敏,最新(xīn)食品加工講座,乳とその加工,建帛社,1987.より作成

ページトップへ