和光堂

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一人ひとりのカタチがわかる 授乳のはなし一人ひとりのカタチがわかる 授乳のはなし

母乳で悩んでいるママへ アイコン母乳で悩んでいるママへ

「母乳で育てたい!」。
そのママのやさしい強い想いが、
ときにはママ自身を苦しめていることも。
そんな悩みに専門家の先生にアドバイスをいただきました。
※ここでいう粉ミルクとは育児用(yòng)ミルクのことです。

母乳・授乳の悩みQ&A

母乳の量・出方について

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出産後から母乳がほとんど出ませんが、どうしても母乳で育てたいと思っています。どうすればよいでしょうか?

母乳を出すには赤ちゃんが吸うことによる刺激が必要です。ですから、出てないと思っても赤ちゃんに吸わせることが大切です。そうするうちに、だんだんと出るようになります。

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母乳で育てていますが、赤ちゃんがいつまでも吸っている(あるいはしょっちゅう欲しがる)ので足りていない気がします。粉ミルクを足した方がよいでしょうか? またどのくらい足せばよいでしょうか?

母乳は粉ミルクに比べて授乳している量がわかりにくいですが、赤ちゃんの體(tǐ)重が順調に増えていれば足さなくても大丈夫です。
母乳の量を正確に知りたい場合は、搾乳して量を見る方法と、授乳の前後で赤ちゃんの體(tǐ)重を測る方法があります。後者の場合、首がすわっていない赤ちゃんの微妙な體(tǐ)重変化を測れる専用(yòng)のベビースケールが必要となります。リースもあるので利用(yòng)するとよいでしょう。それで足りていなければ粉ミルクを足すことも考えます。
赤ちゃんの飲める量は決まっていて、乳児の頃は飲み過ぎることは基本的にありません。もし母乳が足りていないようなら、母乳の後に粉ミルクを与えて赤ちゃんが飲めば足りていないということです。粉ミルクは多(duō)めに作って、少し残すくらいが正しい作り方です。飲みきると足りていないのかどうかわからないからです。

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出産直後から母乳がほとんど出ず、産院が母乳推奨だったので粉ミルクを使うことに抵抗があります。粉ミルクだけで大丈夫なのでしょうか?

粉ミルクは母乳をお手本にして作られているので、粉ミルクだけでも赤ちゃんの成長には問題はありませんが、やはり母乳で育てることの努力は続けましょう。
母乳が出にくい場合は出産した産院でおっぱいマッサージなどの指導を受けるのがよいのですが、その産院での母乳指導が合わないと思ったら、他(tā)の産院に相談する方法もあります。なかには分(fēn)娩した産婦さんしか診ないという産院もあるようですが、現在はセカンドオピニオンを聴くのは一般的なので、授乳の悩みに関していろいろな人の意見を聞くのはよいことだと思います。

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離乳食が始まっているのに、おっぱいや粉ミルクばかりほしがって授乳で満腹になるのか、離乳食をあまり食べてくれません。どうしたらいいでしょう?

赤ちゃんにしてみたらおっぱいや粉ミルクは慣れていて、離乳食に比べてラクにおなかを満たせるのです。生後5,6か月から離乳食を始めるのは、どろっとしたものを飲み込んだり、咀嚼をできるようにしたりするトレーニングであり、その時期にやるべき意味があるのです。この時期に練習ができていないと、母乳や粉ミルクだけでは栄養が足りなくなる時期に上手に食べ物(wù)を食べられず、たんぱく質や鉄、ビタミンなどの栄養不足に陥ることになります。ですから赤ちゃんのためと思って、根気よく離乳食を進めましょう。また、授乳は離乳食の後にするようにしましょう。

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粉ミルクとの混合授乳について

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母乳と粉ミルクの混合にしたら、母乳よりも哺乳びんの方が吸いやすいようで、粉ミルクばかり欲しがるようになり、母乳を飲まなくなるのではと心配です。大丈夫でしょうか?

本来赤ちゃんにとっては哺乳びんの乳首よりもママの乳首の方が吸いやすいものです。粉ミルクばかりほしがるのはお母さんの乳首に何らかの問題があるのか、あるいは母乳の出が悪いのかもしれません。母乳での授乳を続けたい場合は、乳首のトラブルをケアしたり、おっぱいマッサージをするなど、母乳が出やすくなる工夫をしてみましょう。

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粉ミルクのときに、育児書や商(shāng)品に書いてある量や回数では足りないようですぐに欲しがるのですが、そんなにあげて大丈夫でしょうか?

大丈夫です。乳児は飲み過ぎることはなく、赤ちゃんによって1回の適量や回数に個人差があるのです。すぐに欲しがるのは前回の授乳量が足りなかったから。1回で十分(fēn)飲んでいれば授乳の間隔はあくはずです。粉ミルクを飲みきる場合は足りていないケースがあるので、多(duō)めに作って赤ちゃんが少し残すくらいが正しい作り方です。
授乳の頻度が多(duō)過ぎてお母さんの負担が大きすぎる場合は、授乳の時間を決めて、1回の授乳でおなかがいっぱいになるまでたっぷりあげて授乳の間隔をあけるようにすることをおすすめしています。

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ある日突然、母乳(または粉ミルク)を嫌がるようになりました。どうすればいいでしょう?

まったく授乳を嫌がるのではなく、どちらかを飲んでいるのであれば問題はありません。母乳だけを嫌がるようになった場合、母乳の出が悪くなっている可(kě)能(néng)性があります。乳管が詰まっていないかなど、原因を探してみましょう。母乳が急に出なくなる原因にはストレスも考えられますので、お母さんが何かストレスを感じることがあれば、それを解消するようにしてみましょう。粉ミルクを嫌がっても母乳を飲んでいるのであれば大丈夫です。

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赤ちゃんの飲み方

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母乳での授乳で赤ちゃんが上手に乳首をくわえられずなかなか飲めません。また、飲んでもすぐに吐いてしまいます。どうしたらいいでしょう?

最初の頃であれば、赤ちゃんもまだおっぱいのくわえ方や飲み方に慣れていないので、うまく飲めなかったり、吐いてしまうこともあります。上手に飲めるようになるまでお互いに少しがまんが必要かもしれません。赤ちゃんが乳首の先の方しかくわえていない場合は母乳が出てきませんので、しっかり奥の方までくわえさせるようにしてみましょう。
それでも飲めていないときは、母乳の出方の状態かもしれません。母乳が足りていないようであれば粉ミルクを足すことも考えましょう。

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飲み方にムラがあって、とても飲むときと全然飲んでくれないときがあります。どうしたらいいでしょう?

飲みムラは気にしなくて大丈夫です。前回の授乳でおなかいっぱい飲んでいるのに、それほど間隔があいていなければあまり飲まないこともありますし、逆の場合もあります。全體(tǐ)の量として1日や1週間単位でちゃんと飲めていて、體(tǐ)重が増えていれば問題ありません。

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赤ちゃんが片方のおっぱいばかり飲みたがるので、逆のおっぱいが張って辛いです。両方均等に飲ませるにはどうしたらいいでしょう?

おっぱいの味は両方同じはずです。それなのに片方しか飲みたがらないのは、赤ちゃんに向き癖があったり、お母さんの抱き方や乳首の形などに左右の違いがあることで飲みやすい方を選ぶためだと考えられます。まずはお母さん側の原因で直せることは直してみましょう。乳頭マッサージなどで出にくい方の乳首を改善したり、抱き方を左右同じにすることが難しければ授乳クッションなどを利用(yòng)してみましょう。赤ちゃんに向き癖があると頭の形が左右対称でなくなる原因にもなるので、向き癖を直すことから始めましょう。
片方のおっぱいばかり飲むことで、逆のおっぱいが詰まって出にくくなることがあり、乳腺炎を引き起こすなど悪循環も考えられます。均等に飲めるよう、上記のような環境づくりをしてみましょう。

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乳房・乳頭の悩み

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乳腺炎を繰り返して辛いです。どうしたらいいでしょう?

乳管の詰まりが原因になる場合もあるので、詰まり気味と思ったらマッサージをしたり、赤ちゃんに吸わせるという予防法もあります。ですが、お母さんが我慢して悪化してしまうケースが多(duō)いようなので、早期に発見をして早期に治療を開始することが大切です。予兆としてはしこりや乳頭に白斑ができることがありますので、こうした症状が出たら産科(kē)の診察を受けましょう。

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赤ちゃんが強く吸ったり、噛んだりするため、乳首がしょっちゅう切れて激痛がします。どう対処すればいいでしょう?

赤ちゃんが乳首を噛むことはよくありますが、傷が深くないのに激痛がする場合は乳腺炎が原因の場合もあるので、医師の診察を受けることをおすすめします。
また、赤ちゃんが必要以上に強く吸おうとするのは、母乳の出方が悪くなっているためかもしれません。まずはそれらの原因を考えて、お母さんの状態を改善するようにしましょう。
無理(lǐ)に我慢してしまうと、治すことに時間がかかって母乳の出が悪くなるなど悪循環になりかねませんので、1回ちゃんと治すことです。搾乳して哺乳びんから母乳をあげてもいいですし、治療の間は粉ミルクでの授乳も考慮しましょう。

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白斑ができて痛みがつらいです。どうしたらいいでしょう?

乳腺炎同様に乳管の詰まりによってできるので、赤ちゃんに吸わせたりマッサージすることで白斑自體(tǐ)は防げます。痛みで授乳もできないようであれば、産科(kē)で診察を受けましょう。

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ママの栄養状態

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たんぽぽ茶や和食を食べると母乳の出がよくなると言われましたが、本当でしょうか?ほかに母乳にいい食べ物(wù)はありますか?

母乳の出がよくなる食品というのがあるわけではないと思います。どんなものでも偏って食べるのではなく、やはりバランスのいい食事が一番大切です。授乳中に不足しやすいのは鉄分(fēn)やカルシウムなので、それらは意識して摂るとよいでしょう。和食は野菜や魚中心の献立が多(duō)く、脂っこいものが少ないため、栄養バランスのいい食事ができる利点があります。
詳しくは「母乳育児中の食事について」をご参照ください。

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母乳育児中にコーヒーやアルコールは少量ならいいと聞きましたが、どれくらいまでなら大丈夫でしょうか?

アルコールは控えるのが基本です。コーヒーなら1日2・3杯までなら乳汁分(fēn)泌に影響はないといわれています。たくさん飲みたい人や、カフェインが気になる人はノンカフェインコーヒーにするとよいでしょう。アルコールを我慢することでストレスが溜まるようならノンアルコールのビールなどで気分(fēn)転換する方法もあります。ノンアルコールと表示されていても微量のアルコールを含んでいる場合があるので、0%かどうか確認してから購入してください。

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母乳育児中に脂っこいものを食べると乳腺炎になると聞きましたが、それは違うとある育児書もありました。何が本当なのでしょうか? また、この時期に本当に避けた方がよい食べ物(wù)は何でしょうか?

やはり脂っこいものや、甘すぎるもの、辛すぎるものなどは、乳管の詰まりの原因になる可(kě)能(néng)性があるため、母乳育児中は控えた方がよいですが、まったくダメということではなく、食べ過ぎてはいけないということです。バランスと適量が大切です。脂なら、肉類よりも魚から摂るようにしましょう。魚の脂は赤ちゃんの発育にとっても大切な成分(fēn)がたくさん含まれています。

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母乳は血液から作られるそうですが、自分(fēn)は貧血なので母乳では赤ちゃんが栄養不足になるのではと心配ですが、大丈夫でしょうか?

母乳をつくるしくみはよくできていて、お母さんが多(duō)少貧血でも母乳の栄養はきちんとできるようになっています。しかし重度の貧血の場合、母乳の栄養云々の前に、授乳や普通の生活をすることすら辛いのではないかと思います。貧血になる原因はさまざまなので、まずはきちんと医師の治療を受けて貧血を治しましょう。日常の食生活でも鉄分(fēn)の多(duō)い食事を心がけてください。

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授乳による生活への影響

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夜中に何度も授乳しなければならないので、睡眠不足でへとへとです。対処法はありますか?

夜に何度もおっぱいや粉ミルクをほしがるのは、その前の授乳の量が足りていないからです。1回の授乳で十分(fēn)におなかがいっぱいになっていれば、授乳の間隔は適度にあくはずです。乳児は飲み過ぎになることはないので、母乳なら自分(fēn)から口を離すまで、粉ミルクなら作った分(fēn)量を少し残すくらいが適量です。

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赤ちゃんがなかなか飲んでくれないことがストレスで育児が辛いです。どうすればよいでしょうか?

赤ちゃんがなぜ飲まないのか、まず原因を考えましょう。母乳なら乳管が詰まっていて出方が悪いのかもしれませんし、授乳の間隔があいていなくてまだおなかがすいていないだけかもしれません。一度冷静に対処を考えてみましょう。また、お母さんがストレスを感じることが母乳の出方に影響するので、神経質にならないことが一番です。お友だちや家族など、いろいろな人に話を聞いてもらって、ストレスを発散することも大切ですね。

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周囲の理(lǐ)解について

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授乳したばかりなのに赤ちゃんが泣くと「母乳が足りてないんじゃない?」とか、授乳中に赤ちゃんが泣くと「出が悪いから泣くんじゃない?」と言われて責められているように感じてしまいます。本当にそうなのでしょうか?

周囲の声はあまり気にしないのが一番ですが、気になる場合は、冷静に聞くことです。例えば授乳したばかりなのに赤ちゃんが泣いているのであれば、ほかの原因で泣いているのでしょうから、相手の言葉を気にする必要はありません。
けれど、授乳中に赤ちゃんが泣いていたら、もしかしたら本当に出方がよくなく、マッサージなどをしたら直るかもしれません。責められていると捉えず、みなさんのことを思ってかけているアドバイスと思って聞いてみませんか。

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「離乳食が進んでいるのにまだ飲ませているの?」「そろそろ断乳したら?」とまわりから言われます。欲しがれば母乳は与えていいと育児書などで見たのですがダメなのでしょうか?

母乳は基本的に赤ちゃんがほしがっていればあげていて大丈夫です。卒乳の時期は赤ちゃんによって個人差が大きいので、まわりの言葉は気にせず、赤ちゃんが自然に離れていくまであげていて大丈夫です。栄養は食事中心で生活していれば自然に離れていくものです。
ただし、お母さんが赤ちゃんと離れたくなかったり、おっぱいをくわえさせればおとなしくなるという理(lǐ)由で母乳を与えつづけているのはよくありません。赤ちゃんの方からほしがるのでなければ、お母さん自身が乳離れする必要があるかもしれません。

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卒乳について

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卒乳はいつ頃から、どんな手順ですればよいでしょうか?

卒乳には手順というものはなく、離乳食を進めるうちに栄養の中心が母乳や粉ミルクから食事へと移行していきます。離乳食スタート後は、母乳や粉ミルクでおなかがいっぱいにならないように、離乳食の後に授乳することがポイントです。このとき、母乳はほしがるだけ与えてもかまいません。離乳食から幼児食に進んで、食事でおなかがいっぱいになる習慣がついてくれば、自然と卒乳していきます。

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添い乳が習慣になってしまい、なかなか卒乳できません。どうしたらいいでしょう?

添い乳は寝かしつけにラクという理(lǐ)由でしているお母さんが少なくありません。しかし、げっぷができず吐き戻しによる窒息や、中耳炎、乳腺炎などの原因になるためやめた方がよい習慣です。寝る前に、起きた状態で十分(fēn)に授乳してあげてから、寝かしつけしてあげましょう。
また、卒乳と添い乳とは関係がなく、食事でおなかがいっぱいになっていないためかもしれません。日中の授乳は食事の後にして、食事で満腹感を得られるようになれば自然と卒乳していくはずです。

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アドバイスいただいた先生 清水 俊明 先生
順天堂大學(xué)大學(xué)院医學(xué)研究科(kē)
小(xiǎo)児思春期発達・病態學(xué)教授・医學(xué)博士
1983年順天堂大學(xué)医學(xué)部卒業。スウェーデン・イエテボリ大學(xué)リサーチフェロー、オーストラリア・アデレード大學(xué)リサーチフェロー等を経て、2007年より順天堂大學(xué)小(xiǎo)児科(kē)教授。専門領域は小(xiǎo)児栄養・消化器病、新(xīn)生児栄養、脂質栄養など。

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