妊娠中もバランスの良い食事と栄養が必要なのは普段と一緒です。
加えて、妊娠中に特に心がけて摂りたい栄養があるので知っておきましょう。
ニンプさんの食事について
妊娠中に必要な食事量は、妊娠の時期に合わせていきましょう
おなかの赤ちゃんの體(tǐ)はママの食事が基本でつくられるので、妊娠前の1日の推定エネルギー必要量に対して妊娠初期50kcal、妊娠中期250 kcal、妊娠後期450 kcal、授乳期350 kcalを増やします。最近では、胎児の栄養状態は将来の生活習慣病発症にも影響することが明らかになっています。妊娠中の體(tǐ)重増加量を見ながら低栄養(やせ)や肥満にならないように気をつけながら正しい食生活を身に付けましょう。
妊娠中は栄養バランスがいっそう大事になる
妊娠中は赤ちゃんの體(tǐ)をつくるためにも、それを支える母體(tǐ)を守るためにも、普段よりいっそう栄養のバランスが大切になります。
頭ではわかっていても、いざ実践となるとどうしていいかわからないときは、以下の「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物(wù)」の5グループの料理(lǐ)や食品を組み合わせてとることを心がけましょう。
<主食>
炭水化物(wù)などの供給源であるごはん、パン、麺などを主材料とする料理(lǐ)が含まれます。
<副菜>
ビタミン、ミネラル、食物(wù)繊維などの供給源である野菜、いも、豆類(大豆を除く)、きのこ、海藻などを主材料とする料理(lǐ)が含まれます。
<主菜>
たんぱく質の供給源である肉、魚、卵、大豆および大豆製品などを主材料とする料理(lǐ)が含まれます。
<牛乳・乳製品>
カルシウムの供給源である、牛乳、ヨーグルト、チーズなどが含まれます。
<果物(wù)>
ビタミンC、カリウムなどの供給源である、りんご、みかんなどの果実及びすいか、いちごなど実は野菜に分(fēn)類されている食材も含まれます。
妊娠初期は妊娠前と必要な食事量は変わりません。妊娠中期には副菜と主菜、果物(wù)を増やし、妊娠後期や授乳期は全體(tǐ)的に増やします。ただし前述のように増やすと言っても妊娠前の倍にするほどではなく、1日当たりで「主食」と「副菜」は2割増し程度、「主菜」は3割増し程度、「乳製品」や「果物(wù)」は5割増し程度です。
妊娠中に特に必要な栄養素
妊娠前より妊娠中に必要なのは、良質なたんぱく質や脂質です。脂質では、青皮魚に多(duō)く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)は胎児、乳児の発育に重要な役割を持ちます。そして、下記のようなビタミンやミネラルは人間の體(tǐ)内でつくることができないため、食事からしっかり摂るようにしましょう。
栄養素 | なぜ必要 | 多(duō)く含まれる食材 | ||
---|---|---|---|---|
鉄 | 妊娠5,6か月くらいから徐々に赤ちゃんへの供給が増え、妊娠9か月ごろから一気に必要になります。母乳も血液から作られますので、授乳期も引き続き摂取が必要です。 | 赤身のお肉、卵、しじみ、あさり、牡蠣、いわし、さば、かつお、まぐろの血合い※、高野豆腐、がんもどき、納豆、チンゲン菜、小(xiǎo)松菜、プルーン、レバー※など
|
||
カルシウム | 丈夫な骨と歯を作る働きがあります。カルシウムが不足した状態が続くと、骨や歯からカルシウムが溶け出してしまいます。 | 豆腐、生揚げ、高野豆腐、牛乳、ヨーグルト、チーズ、しらす、豆アジ、ししゃも、わかさぎ、ごま、大根葉、かぶ葉、水菜 | ||
葉酸 (水溶性ビタミンB群) |
體(tǐ)内で血液が生成されるのを助ける栄養素。胎児の神経管閉鎖障害の予防効果がみられることから、特に妊娠直前や妊娠初期での摂取が望まれます。 | ほうれん草(cǎo)、からし菜、グリーンアスパラ、ブロッコリー、かぼちゃ、レバー、納豆、マンゴー、いちご、抹茶 | ||
ビタミン類 | ビタミンは人の體(tǐ)を正常に働かせるために欠かせない栄養素で、ほかの栄養素の働きを円滑に進めるための潤滑油のようなもの。必要な量は少ないので、副菜などで献立の品数を増やせば、ビタミンは不足しません。 ビタミンAの過剰摂取は胎児に奇形を起こす可(kě)能(néng)性が指摘されているため、レバー、うなぎ、サプリメントの摂りすぎに気をつけましょう。 |
水溶性 ビタミン |
葉酸以外の ビタミン B群 |
胚芽、豆類、豚肉、魚類、レバー、チーズ、卵、ピーナツ、緑色野菜 |
ビタミン C |
ほうれん草(cǎo)、小(xiǎo)松菜、にんじん、いちご、みかん、かき、キウイフルーツ、さつまいも、じゃがいも | |||
脂溶性 ビタミン |
ビタミン A |
レバー、うなぎ、ぎんだら、にんじん、ほうれん草(cǎo) | ||
ビタミン D |
肝油、卵黄、バター、いわし、しろさけ、ぶり、さんま、うなぎ、きくらげ | |||
ビタミン E |
アーモンド、ピーナッツ、マヨネーズ、うなぎ、あゆ | |||
ビタミン K |
納豆、春菊、小(xiǎo)松菜、ほうれん草(cǎo)、モロヘイヤ、焼きのり、わかめ |
太田百合子先生
管理(lǐ)栄養士。東京「こどもの城」小(xiǎo)児保健クリニックを経て、現在は大學(xué)などの非常勤講師、指導者や保護者向け講習会講師、NHK子育て番組出演や育児雑誌などの監修を務めている。日本小(xiǎo)児保健協会栄養委員会、東京都小(xiǎo)児保健協会理(lǐ)事、日本小(xiǎo)児連絡協議会栄養委員、日本食育學(xué)会代議員等。